建設業許可
建設業許可
建設業を営む上で許可は必ず必要?
建設業を営む場合、個人・法人や元請・下請関係なく、建設業法に基づき許可を受けなければなりません。
例外的に、軽微な工事(※)のみを請け負う場合は、建設業の許可を受けなくてもよいこととされています。
自分の家を自分で建てる場合や不動産業者が自ら住宅を建てて販売する場合などは、そもそも建設業に該当しないので建設業の許可を受ける必要はありません。
※軽微な工事=1件の請負金額が税込500万円未満のもの(建築一式工事の場合は、税込1,500万円未満のも、または延べ面積150㎡未満の木造住宅工事)
建設業許可の区分・種類
●大臣許可・知事許可
2つ以上の都道府県に営業所を設けて営業する場合は国土交通大臣許可が必要です。
それ以外は都道府県知事の許可になります。例えば、複数の営業所があってもすべて同一都道府県内であれば、都道府県知事の許可になります。
●一般建設業許可・特定建設業許可
元請として大きな仕事(下請への発注が大きい)を想定しているのであれば特定建設業許可が必要です。
一般建設業許可の場合だと元請としての下請発注金額は5,000万円未満(建築一式工事は8,000万円未満)という制限がかかります。
●業種
土木一式工事と建築一式工事の2つの一式工事と27の専門工事に分類され、全部で29業種あり、営業しようとする業種ごとに許可を受けなければなりません。
※一式工事の許可を受けていれば、関連する専門工事の請負はできると思われていますが、専門工事だけを請け負う場合は、専門工事について許可を受ける必要があります。例えば、建築工事業の許可を受けている建設業者がインテリア工事を請け負う場合は内奥仕上工事業の許可が必要となります。
5つの許可要件
〈常勤役員等(経営業務の管理責任者)がいること〉
法人の場合は主に常勤の取締役、個人事業主の場合はその本人に建設業の経営管理を適正に行う能力があるかどうかが問われます。
具体的には以下のような建設業における経験が求められます。
・取締役や支店長(令3条使用人)、個人事業主として5年以上の経営経験
・執行役員として5年以上の経営経験
・取締役や個人事業主等に次ぐ地位(部長や副支店長等)で6年以上経営業務を補佐した経験
経営経験が5年に満たない場合、最低2年の経験を有する常勤の役員等とその人を直接補佐する人を置く社内体制を組んで認めてもらうという方法もあります。ただし、この方法はレアケースで、非常に難易度が高くなります。
また、執行役員や部長等の場合も取締役のように登記されている立場ではないので経験を証明するハードルは高くなります。
〈社会保険に加入していること〉
健康保険・厚生年金保険、雇用保険に加入している必要があります。(適用除外の場合は除く)
建設工事請負契約を履行するに足りる財産的基礎・金銭的信用があることを証明しなければなりません。
自己資本(純資産合計)が500万円以上、または金融機関の預金残高が500万円以上あることが確認できれば、財産的基礎・金銭的信用があると認められます。
特定建設業許可の場合は、要件がより厳しくなります。
直前の決算において以下のすべてをクリアしている必要があります。
・資本金が2,000万円以上
・自己資本(純資産合計)が4,000万円以上
・欠損金額が資本金の20%以内
・流動比率(流動資産/流動負債)が75%以上
許可を受けようとする業種に応じた国家資格等保有者または一定の実務経験者が、専任の技術者として営業所ごとに常勤していることが求められます。一定の実務経験というのは、10年以上を求められるケースが多く、その期間に合致する工事実績を契約書等で証明しなければなりません。
特定建設業許可の場合は、資格・実務経験ともに要件が厳しくなります。
建設工事の請負に関する見積りや契約締結等、営業行為を行う事務所が必要になります。
ペーパーカンパニーを排除する目的もあり、写真等で実在しているかどうか確認されます。
事務所には固定電話、机、事務備品等が設置し、商号・屋号を表札や看板等で確認できなければなりません。場合によっては、賃貸借契約書等で使用権限の確認まで行われます。
申請の時に虚偽があったり、重大な事実を欠いていたりする場合や申請者(法人・個人)やその役員等、令3条使用人が直近で禁固以上の刑を受けていたり、建設業法その他一定の法律に違反して罰金刑を受けていたりすると許可を取得することができません。
請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがある場合も許可されません。
建設業許可が取れないケース
- 禁治産者、準禁治産又は破産者で復権を得ない者
- 許可を取り消されて5年を経過しない者
- 営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
- 許可申請書又は添付書類中の重要な事項について虚偽の記載があり、
若しくは重要な事実の記載が欠けているとき - 次の者は、その刑の執行が終って5年を経過しない者
・禁固以上の刑に処せられた者
・建設業法、建築基準法、宅地造成等規制法、都市計画法、労働基準法、職業安定法、労働者派遣法、
暴力団対策法及び刑法の特定の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた者
許可の有効期間
建設業許可の有効期限は5年間です。
建設業許可の有効期限が満了する日の30日前までに、建設業許可更新の手続きが必要です。
経営事項審査(経審)
建設業者が元請として公共工事を請け負うために必ず受けなければならない審査です。
建設業許可を取得していることが前提となります。
許可を受けた行政庁で経営事項審査(経審)を受けた後、自治体等に入札参加資格申請を行い、入札参加資格者名簿に登録されてはじめて公共工事への入札が可能になります。
経営事項審査(経審)では、「経営規模等評価(経営規模、技術力、社会性等)」と「経営状況」の総合的な評価が行われ、「総合評定値(P点)」という形で結果が表れます。「経営状況」の部分は、事前に申請・受領済みの「経営状況分析(Y点)」がそのまま使われます。
こんなお悩みありませんか?
「公共工事に興味はあるものの、わからないことが多く、一歩が踏み出せない…」
「点数についてもっと具体的なアドバイスが欲しい…」
「漫然と受けるだけの経審から脱却したい…」
「入札戦略をしっかり考え、意味のある経審にしたい…」
経審の流れ
- 決算変更届の提出
- 経営状況の分析(国の登録機関)
- 経営規模等評価申請・総合評定値請求(都道府県)

(ワイズ公共データシステム様より抜粋)
経営事項審査結果の有効期間
発注者と経審が必要な建設工事の請負契約を締結することができるのは、経審の審査基準日(決算日)から1年7ヵ月の間に限られています。
毎年請け負うには、有効期間が途切れることなく、定期的に経審を受ける必要があります。
当事務所では、有効期間が切れて工事を請け負うことができなくならないために、お客様の決算期を管理させていただき、毎年の経審のサポートをさせていただいております。
入札参加資格審査(指名願)
国の省庁や都道府県・市区町村等の機関は民間事業者に仕事を発注する際、公平性・透明性・競争性を担保した上で事業者を選定することが求められます。この考えをベースにした仕組みを入札といいます。
入札には「一般競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」と大きく3つの方式があります。
事業者が入札に参加するためには各発注機関の入札参加資格審査を受け、入札参加資格者名簿に掲載されなければなりません。
入札参加資格の種目
毎年度さまざまな仕事が入札案件として出てきます。
案件の種目に応じた参加資格審査を受けていなければ入札に参加することはできません。
主に以下の4つの参加資格に分類されます。(※発注機関によって名称・分類は異なります。)
土木一式工事、プレストレストコンクリート構造物工事、鋼構造物工事、鋼橋上部工事、とび・土工・コンクリート工事、舗装工事 等
建物清掃、設備保守点検、公園清掃、害虫等駆除、警備、受付・案内、印刷・デザイン、クリーニング、人材派遣、催事 等
文房具・事務機器、繊維製品、燃料、学校用教材、看板・標識、古物類、自動車、電気・通信機器 等
測量、地質調査、建築設計・監理、設備設計・監理、建設コンサルタント、補償コンサルタント 等
入札参加資格の要件
発注機関(行政庁)ごとに入札参加資格の要件が細かく定められています。
(主な要件)
・欠格要件に該当していないこと
・税金の未納がないこと
・契約種目の営業免許や許可等を受けていること
入札参加資格の等級区分(ランク付け)
入札参加資格には等級(ランク)があり、事業者は能力(売上、財務状況、設備等)によってランク付けされます。建設工事の場合、経営事項審査の総合評定値(P点)と発注機関ごとの独自の点数で決まります。
等級(ランク)に応じた発注が行われるので、一部の大企業だけが競争有利になるようなことはなく、中小事業者にも公平に機会が与えられるような仕組みになっています。
入札参加資格の有効期間・申請時期
入札参加資格の有効期間は発注機関ごとに異なり、おおむね1年~3年間(年度)です。
参加資格を受けた後は有効期間が過ぎて、入札参加資格が失効しないよう更新申請をしなければなりません。
申請はいつでも受け付けてもらえるわけではなく、発注機関によって受付のタイミングが異なります。受付期間も短い(2週間~1か月程度)ので注意が必要です。
受付パターンは、有効期間が終了する直前に次回の有効期間の申請を受け付ける「定期受付」だけでなく、
有効期間の途中で追加募集を行う「追加受付」、いつでも申請可能な「随時受付」があります。

