【徹底比較】技人国と特定技能の違いとは?8つの比較ポイントと失敗しない選び方|大阪の企業向けに行政書士が解説

目次

はじめに

「外国人を採用したいが、技人国と特定技能のどちらで申請すればいいのかわからない」
「人材会社から特定技能をすすめられたが、本当に自社に合っているのか不安」

大阪で外国人雇用を検討している企業様から、このようなご相談を多くいただきます。

外国人を正社員として雇用するとき、中心となる在留資格が「技術・人文知識・国際業務(技人国)」と「特定技能」の2つです。どちらも企業で働くための就労ビザですが、任せられる仕事の内容、本人に求められる要件、企業側の義務やコストは大きく異なります。

この2つの違いを理解しないまま採用を進めると、「採用したのに予定していた仕事を任せられない」「更新のときに不許可になった」といったトラブルにつながりかねません。

この記事では、技人国と特定技能の違いを8つのポイントで比較し、大阪の企業がどちらを選ぶべきかの判断基準を、業種別の具体例とあわせて行政書士がわかりやすく解説します。

技人国と特定技能の基本をおさらい

技術・人文知識・国際業務(技人国)とは

技人国は、大学や専門学校で学んだ専門知識や、外国の文化に基づく感性・語学力を活かす仕事が対象の在留資格です。ITエンジニア、設計、施工管理、営業、経理、マーケティング、通訳・翻訳、貿易事務など、いわゆる「ホワイトカラー」の業務が中心です。

日本で働く外国人の就労ビザの中でも、特に多く利用されている在留資格のひとつです。

特定技能とは

特定技能は、人手不足が深刻な産業分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人が「現場の仕事」に従事するための在留資格です。建設、外食業、介護、工業製品製造業、宿泊、農業などの分野が対象です。

特定技能1号と、より熟練した技能を持つ人向けの特定技能2号があります。

一言でまとめると、「専門知識を使う仕事なら技人国」「人手不足分野の現場の仕事なら特定技能」というのが基本的な考え方です。

【比較】技人国と特定技能の8つの違い

1.任せられる仕事の内容

技人国:専門知識を必要とする事務的・技術的な業務が対象です。工場のライン作業、飲食店の接客・調理、建設現場の作業などの単純作業や現場作業は、原則として認められません。

特定技能:定められた分野・業務区分の範囲内で、現場作業に従事できます。技人国では認められない現場の仕事を任せられる点が、最大の特徴です。ただし、対象外の分野の仕事はできません。

2.外国人本人に求められる要件

技人国:原則として、仕事内容に関連する分野を専攻して大学または専門学校を卒業していることが必要です。学歴がない場合は、一定年数以上の実務経験で要件を満たすことができます。日本語能力の要件は法律上ありませんが、業務の内容によっては実際の日本語力が審査で考慮されます。

特定技能1号:分野ごとの技能試験と日本語試験に合格する必要があります。学歴は問われません。技能実習2号を良好に修了した方は、同じ職種・作業であれば試験が免除されます。

3.在留期間と更新の上限

技人国:更新回数に上限がありません。要件を満たし続ければ、長期間にわたって日本で働き続けられます。将来的な永住許可申請にもつながります。

特定技能1号:在留できる期間は通算5年が上限です。5年を超えて働いてもらうには、特定技能2号への移行など、別の在留資格への変更が必要になります。

特定技能2号:更新の上限がなく、長期雇用が可能です。

4.家族の帯同

技人国:配偶者や子どもを「家族滞在」の在留資格で日本に呼び寄せることができます。

特定技能1号:原則として家族の帯同は認められていません。

特定技能2号:要件を満たせば、配偶者や子どもの帯同が認められます。

5.受入れ企業の義務

技人国:雇用契約の内容が適正であれば、企業に特別な支援義務はありません。通常の日本人社員と同じように雇用・労務管理を行います。

特定技能1号:受入れ企業には、外国人の生活や仕事を支える「支援計画」を作成し、実施する義務があります。具体的には、入国前の事前ガイダンス、住居確保の支援、生活オリエンテーション、日本語学習の機会の提供、定期的な面談などです。これらの支援は「登録支援機関」に委託することもできます。また、分野ごとの協議会への加入や、出入国在留管理庁への定期的な届出も必要です。

6.雇用形態と受入れ人数

技人国:直接雇用が基本ですが、業務内容が要件に合っていれば派遣での就労も可能です。受入れ人数に制限はありません。

特定技能:原則として直接雇用に限られます(農業・漁業分野は派遣も可能)。受入れ人数は原則として制限がありませんが、建設分野と介護分野には、常勤職員数などに応じた上限があります。

7.転職の考え方

技人国:同じ在留資格の範囲内の仕事であれば、比較的自由に転職できます。

特定技能:同じ分野・業務区分の中であれば転職できますが、転職先ごとに在留資格の変更許可申請が必要です。どちらの在留資格も、外国人本人の意思での転職は可能なため、企業には働きやすい環境づくりによる定着の工夫が求められます。

8.採用・雇用にかかるコスト

技人国:主なコストは、採用費用と在留資格の申請費用です。雇用後に特別な費用はかかりません。

特定技能:採用費用や申請費用に加えて、登録支援機関へ支援を委託する場合は、毎月の委託費が継続的に発生します。建設分野では、さらに業界団体への会費や受入負担金がかかります。一方で、技人国の要件を満たす人材に比べて採用候補者が多く、現場人材を確保しやすいというメリットがあります。

どちらを選ぶべき?判断の4つのポイント

ポイント1:任せたい仕事が「専門業務」か「現場業務」か

最も重要なのは、外国人に任せる仕事の内容です。1日の業務のうち、どの作業にどれくらいの時間を使うのかを具体的に書き出してみましょう。専門知識を使う業務が中心なら技人国、現場での作業が中心なら特定技能が基本です。

ポイント2:採用候補者の学歴・試験の合格状況

候補者が関連分野の大学や専門学校を卒業していれば、技人国を検討できます。特定技能の試験に合格している、または技能実習を修了している場合は、特定技能を検討できます。

ポイント3:長期雇用を前提とするか

将来の幹部候補として長く働いてもらいたい場合は、更新の上限がない技人国が有利です。特定技能で採用する場合は、2号への移行を見据えたキャリアプランを考えておくことが大切です。

ポイント4:支援体制とコストを負担できるか

特定技能では、支援計画の実施や届出などの管理業務が発生します。自社で対応できるのか、登録支援機関に委託するのかを含めて、雇用後の体制とコストを事前に検討しておきましょう。

【業種別】大阪の企業はどちらを選ぶ?具体例で解説

製造業(東大阪・堺などの工場)

生産ラインでの組立や加工の作業員として採用する場合は、「特定技能(工業製品製造業)」が対象です。生産管理、品質管理、設計、海外取引先との調整などの業務であれば、技人国で採用できる可能性があります。

飲食業(ミナミ・キタなどの飲食店)

ホールでの接客や調理の担当者は、技人国では原則として認められないため、「特定技能(外食業)」が選択肢になります。本部での商品開発、マーケティング、店舗運営の管理業務であれば、技人国を検討できます。

ホテル・旅館などの宿泊業

インバウンド需要の高い大阪では、宿泊業での外国人雇用が増えています。フロントでの外国語対応や企画・広報の業務は、技人国の対象となる場合があります。一方、接客全般やレストランでのサービスなど、幅広い現場業務を任せたい場合は「特定技能(宿泊)」が適しています。

建設業

建設現場での作業員として採用する場合は、「特定技能(建設)」が中心です。ただし建設分野では、建設業許可の取得、建設キャリアアップシステムへの登録、業界団体への加入、国土交通省による受入計画の認定など、他の分野にはない独自の要件があります。施工管理、設計、CADなどの技術職は、技人国で採用できる可能性があります。

IT企業・商社・貿易会社

システム開発、Webエンジニア、海外営業、貿易事務などの業務は、技人国の代表的な対象業務です。大阪の大学や専門学校を卒業した留学生の新卒採用でも、多く利用されています。

大阪就労ビザ相談室

技人国と特定技能は併用・変更できる?

同じ会社で両方の在留資格の外国人を雇用できる

一つの会社で、技人国の外国人と特定技能の外国人を同時に雇用することは問題ありません。たとえば「現場は特定技能の作業員、現場の管理や通訳は技人国の社員」という組み合わせは、建設業や製造業で効果的な体制です。

在留資格を変更することもできる

特定技能で働く外国人が、一定の要件を満たせば技人国へ変更することや、その逆の変更も、制度上は可能です。ただし、いずれも新しい在留資格の要件を満たしている必要があり、業務内容も変更後の在留資格に合ったものでなければなりません。

選び方を間違えたときによくある失敗例

技人国で採用したのに、現場作業ばかりさせてしまった

許可を受けたときの業務と実際の業務が違うと、在留期間の更新が不許可になるおそれがあります。悪質な場合は、企業側が不法就労助長罪に問われる可能性もあります。

特定技能で採用したが、支援業務に対応できなかった

支援計画を適切に実施していないと、特定技能外国人の受入れができなくなる可能性があります。支援を自社で行うのか、委託するのかを事前に決めておくことが重要です。

特定技能の対象外の業務をさせてしまった

特定技能は、分野・業務区分ごとに従事できる業務の範囲が決まっています。対象外の業務を主に担当させることは認められません。

大阪で技人国・特定技能の申請を行政書士に依頼するメリット

技人国と特定技能のどちらを選ぶかは、仕事内容、本人の経歴、企業の体制など、さまざまな要素を総合的に判断する必要があります。

行政書士に相談すれば、次のようなサポートを受けられます。

・業務内容と本人の経歴から、最適な在留資格を判断できる
・不許可のリスクを事前に洗い出し、対策を立てられる
・雇用理由書や支援計画書など、審査のポイントを押さえた書類を作成できる
・申請取次行政書士が大阪出入国在留管理局への申請を代行するため、企業や本人の負担が減る
・建設分野など、在留資格以外の許認可が関わる場合も一体的に相談できる

まとめ

技人国と特定技能の違いと、選び方のポイントを振り返ります。

・技人国は専門知識を使う業務、特定技能は人手不足分野の現場業務が対象
・技人国は学歴または実務経験、特定技能は試験合格または技能実習修了が必要
・技人国は更新の上限なし、特定技能1号は通算5年まで
・特定技能では、支援計画の実施などの企業側の義務とコストが発生する
・選び方は「仕事内容」「本人の経歴」「雇用期間」「支援体制」の4つで判断する
・同じ会社で両方を組み合わせて雇用することも可能

自社に合った在留資格を正しく選ぶことが、外国人雇用を成功させる第一歩です。

お問い合わせ・ご相談

アドバンスリンク行政書士事務所では、大阪府内の企業様を対象に、技術・人文知識・国際業務(技人国)と特定技能の在留資格の選定から申請までをサポートしています。

「任せたい仕事が技人国と特定技能のどちらに当たるのか知りたい」
「特定技能で採用したいが、企業側の要件を満たしているか確認したい」
「建設業で特定技能外国人を受け入れたい」
「留学生を技人国で採用したい」

このようなお悩みがあれば、お気軽にお問い合わせください。
申請取次行政書士が、在留資格の選定から書類作成、入管への申請まで、一貫してサポートいたします。

アドバンスリンク行政書士事務所
所在地:〒534-0023 大阪市都島区都島南通2-4-14 TSビル301号
電話:06-7777-7821
対応地域:大阪市を中心に大阪府全域(オンライン相談にも対応)

まずはお気軽にご相談ください。

■関連キーワード
就労ビザ 大阪
在留資格 大阪
就労ビザ 申請 流れ
就労ビザ 必要書類
大阪出入国在留管理局
大阪入管 就労ビザ
在留資格認定証明書交付申請
在留資格変更許可申請
在留期間更新許可申請
技術・人文知識・国際業務
技人国 大阪
特定技能 大阪
就労ビザ 審査期間
就労ビザ 不許可
在留申請オンラインシステム
申請取次行政書士 大阪
大阪 就労ビザ 行政書士
大阪 外国人雇用 手続き
留学生 就労ビザ 変更 大阪
外国人 呼び寄せ 手続き 大阪
就労ビザ カテゴリー 必要書類
新設会社 就労ビザ 大阪
就労ビザ 不許可 理由
外国人雇用状況の届出
不法就労助長罪 企業

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次