【大阪府・記載例】No.6 工事経歴書(様式第二号)の書き方|新規申請を記入例付きでわかりやすく解説

工事経歴書(様式第二号)は、申請する業種ごとに、直前の決算期にどのような工事を行ったかを一覧にする書類です。建設業許可の新規申請だけでなく、毎年の決算変更届でも作成するため、建設業者にとって最もなじみのある書類のひとつです。
工事経歴書は、経営事項審査(経審)を申請するかどうかで、記載する工事の選び方と並べ方が変わります。この記事では、大阪府知事許可を法人で申請する場合を例に、「経審を申請しない場合」と「経審を申請する場合」に分けて、記載例付きで解説します。記載例は、大阪府の「建設業許可申請の手引き(令和8年3月改定版)」をもとに、当事務所が架空の会社データで作成したものです。
工事経歴書の基本ルール
- 申請する業種ごとに作成します。建築工事業と内装仕上工事業を申請するなら、2業種分の工事経歴書が必要です。
- 記載するのは、申請直前の決算期に対応する完成工事高等です。
- 工事経歴書は閲覧書類(表紙1)に綴じる書類です。「注文者」「工事名」は、個人の氏名が特定されないよう、注文者「個人A」、工事名「A邸新築工事」のように記載します。
経審を受ける場合・受けない場合の違い

経審を申請しない場合は、主な完成工事と主な未成工事を大きい順に並べるだけのシンプルなルールです。一方、経審を申請する場合は、「元請工事の7割」「全体の7割」という基準に沿って記載する工事を選び、税抜で作成する必要があります。
各欄の書き方(共通)
まずは、どちらの場合にも共通する各欄の書き方です。下の記載例(経審を申請しない場合)の丸数字と対応しています。

① 建設工事の種類:「建築」「内装仕上」など、この工事経歴書で記載する業種を記入します。
② 税込・税抜:該当する方に○を付けます。経審を申請する場合は税抜で作成します。
③ 注文者:個人の氏名が特定されないよう、個人の注文者は「個人A」のように記載します。
④ 元請又は下請の別:「元請」「下請」を記入します。
⑤ JVの別:共同企業体として行った工事の場合は「JV」と記載します。
⑥ 工事名:注文者と同じく、個人名が特定されないよう「A邸新築工事」などと記載します。
⑦ 工事現場のある都道府県及び市区町村名:記入漏れが多い欄です。都道府県と市区町村の両方を記載します。
⑧ 配置技術者:各工事現場に置いた技術者の氏名を記入し、主任技術者か監理技術者か、該当する欄にレ印を付けます。
⑨ 請負代金の額:千円単位で記入します。右側の「うち、PC・法面処理・鋼橋上部」欄は、記載例では該当がないため空欄です。
⑩ 工期:着工年月と、完成年月(未成工事は完成予定年月)を記入します。
⑪ 小計:ページごとの完成工事の件数と請負代金の額の合計を記載し、右側に「うち元請工事」の金額を記載します。
⑫ 合計:最終ページに、全ての完成工事の件数と請負代金の額の合計を記載し、右側に「うち元請工事」の金額を記載します。
パターン1:経営事項審査を申請しない場合
経審を申請しない場合は、次の順番で記載します。
- 主な完成工事を、請負代金の額の大きい順に記載
- ①に続けて、主な未成工事を、請負代金の額の大きい順に記載
記載例①では、完成工事4件(45,000千円→28,000千円→18,000千円→9,500千円)を大きい順に並べ、その下に未成工事1件を記載しています。元請・下請が混在していても、完成工事の中で金額の大きい順に並べればOKです。
未成工事は小計・合計には含めません。記載例①では、この決算期の完成工事が4件だけという想定のため、小計と合計が同じ金額になっています。
パターン2:経営事項審査を申請する場合
経審を申請する場合は、税抜で作成したうえで、次の3段階で記載します。
- 元請の完成工事について、元請の請負代金の額の合計額の7割を超えるところまで、請負代金の額の大きい順に記載
- ①に続けて、①以外の元請工事と下請工事の完成工事について、全ての完成工事高の約7割を超えるところまで、請負代金の額の大きい順に記載
- ②に続けて、主な未成工事について、請負代金の額の大きい順に記載
①と②では、それぞれ次の点にも注意が必要です。
- 500万円(一式工事は1,500万円)未満の工事は10件まで記載します。
- 請負代金の額の合計額のうち、1,000億円を超える部分は記載不要です。
「7割」の計算例

記載例②の内装仕上工事は、決算期の完成工事が全15件、完成工事高100,000千円(うち元請7件・40,000千円)という想定です。
ステップ①では、元請の完成工事の合計40,000千円の7割(28,000千円)を超えるまで記載します。大きい順に足していくと、15,000千円→24,000千円→30,000千円となり、3件目で28,000千円を超えるので、元請工事は3件を記載します。
ステップ②では、①以外の元請工事と下請工事を合わせて大きい順に並べ、①の30,000千円と合わせて、全体100,000千円の7割(70,000千円)を超えるまで記載します。記載例では、70,000千円ちょうどでは「超える」に達しないため、次の6,000千円の工事まで記載し、合計76,000千円となっています。
ステップ③では、続けて主な未成工事を記載します。

小計と合計の金額が変わる点に注意
経審を申請する場合は、全ての完成工事を記載するわけではないため、小計と合計の金額が異なるのが普通です。記載例②では、次のようになります。
| 件数 | 請負代金の額 | うち元請工事 | |
|---|---|---|---|
| 小計(このページに記載した完成工事) | 7件 | 76,000千円 | 30,000千円 |
| 合計(全ての完成工事) | 15件 | 100,000千円 | 40,000千円 |
様式第三号(工事施工金額)との関係
工事経歴書の合計欄は、「直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第三号)」の数字と連動しています。
- 業種ごとに作成した工事経歴書の合計欄の金額は、様式第三号のその業種の「計」の金額と一致します。
- 工事経歴書の合計欄のうち元請工事の金額は、様式第三号の「元請」の金額と一致します。
- 経審を受ける場合は、工事経歴書だけでなく、様式第三号と財務諸表も税抜で作成します。
よくあるミス チェックリスト
- 業種ごとに分けず、1枚にまとめてしまっている
- 注文者名・工事名から個人の氏名が特定できてしまう
- 工事現場の市区町村名が抜けている
- 配置技術者のレ印を付け忘れている
- 未成工事を小計・合計に含めている
- 経審を受けるのに税込で作成している
- 経審を受ける場合に、7割ルールではなく金額の大きい順だけで並べている
- 合計欄の金額が様式第三号と一致していない
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工事経歴書は、新規申請だけでなく毎年の決算変更届でも作成が必要です。特に経審を受ける場合は、7割ルールに沿った工事の選び方や、様式第三号・財務諸表との整合性など、確認すべき点が多くなります。
アドバンスリンク行政書士事務所では、大阪府知事の建設業許可の新規申請から、許可取得後の決算変更届・各種変更届まで一貫してサポートしています。書類作成の負担を減らしたい方は、お気軽にご相談ください。
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TEL:06-7777-7821
このシリーズの記事一覧
第1部:新規許可申請(閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 1 | 【総論】大阪府の建設業許可申請に必要な書類一覧と綴じ方 | 申請区分別書類一覧・綴り方 | 3-2〜3-11 |
| 2 | 建設業許可申請書の書き方 | 様式第一号 | 3-12 |
| 3 | 役員等の一覧表の書き方 | 様式第一号 別紙一 | 3-13 |
| 4 | 営業所一覧表の書き方 | 別紙二(1) | 3-14 |
| 5 | 申請手数料とPOS納付用連絡票 | POS連絡票 | 3-15、3-43 |
| 6 | 工事経歴書の書き方 | 様式第二号 | 3-16 |
| 7 | 直前3年の工事施工金額の書き方 | 様式第三号 | 3-17 |
| 8 | 使用人数・誓約書の書き方 | 様式第四号・第六号 | 3-18、3-20 |
| 9 | 健康保険等の加入状況の書き方 | 様式第七号の三 | 3-19 |
| 10 | 建設業用財務諸表①貸借対照表 | 様式第十五号 | 3-21 |
| 11 | 建設業用財務諸表②損益計算書・注記表・附属明細表 | 様式第十六号〜十七号の三 | 3-22〜3-23 |
| 12 | 営業の沿革・主要取引金融機関名の書き方 | 様式第二十号・二十号の三 | 3-24〜3-25 |
第2部:新規許可申請(非閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 13 | 常勤役員等(経管)証明書の書き方 | 様式第七号 | 3-26〜3-27 |
| 14 | 常勤役員等+直接補佐者の証明書(ロ該当) | 様式第七号の二 | 3-28〜3-35 |
| 15 | 営業所技術者等証明書の書き方 | 様式第八号 | 3-36 |
| 16 | 実務経験証明書の書き方 | 様式第九号 | 3-37 |
| 17 | 指導監督的実務経験証明書(特定建設業) | 様式第十号 | 3-38 |
| 18 | 住所・生年月日に関する調書 | 様式第十二号・十三号 | 3-39〜3-40 |
| 19 | 営業所概要書の書き方 | 営業所概要書 | 3-41 |
| 20 | 委任状と窓口での本人確認 | 府規則様式第2号 | 3-42、6-35〜6-37 |
第3部:許可後の手続き
| No | 記事テーマ | 主な対象様式 | 変更届手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 21 | 【総論】変更届の種類と提出期限(14日・30日・4か月)、郵送・投函BOX、綴り方 | ― | 0-2、1-1、5-1〜5-3 |
| 22 | 変更届の表紙の書き方 | 変更届表紙 | 1-2 |
| 23 | 【決算変更届①】必要書類一覧と表紙・変更届出書の書き方 | 決算変更届表紙、府規則様式第3号 | 4-1〜4-2 |
| 24 | 【決算変更届②】法人事業税納税証明書・事業報告書など添付書類の注意点 | 納税証明書、事業報告書 | 4-1 |
| 25 | 常勤役員等(経管)の変更届(イ該当) | 様式第22号の2、第7号 | 2-1〜2-7 |
| 26 | 常勤役員等+直接補佐者の変更届(ロ該当) | 様式第7号の2、第22号の3 | 2-8〜2-16 |
| 27 | 社会保険等の加入状況の変更届 | 様式第7号の3 | 2-29〜2-30 |
| 28 | 営業所技術者等の変更届(交代・追加・削除) | 様式第22号の2、第8号 ほか | 2-31〜2-41 |
| 29 | 令第3条の使用人(支店長等)の変更届 | 様式第22号の2 ほか | 2-42〜2-44 |
| 30 | 営業所の変更届(本店移転・支店新設) | 様式第22号の2 | 3-1〜3-6 |
| 31 | 商号・資本金の変更届 | 様式第22号の2 | 3-4〜3-5 |
| 32 | 役員等の変更届 | 様式第22号の2、別紙一 | 3-7、3-10 |
| 33 | 株主等の変更届 | 様式第22号の2 | 3-8〜3-11 |
| 34 | 廃業届(一部廃業・全部廃業) | 様式第22号の4 | 3-13〜3-15 |
| 35 | 建設業に係る訂正の届出書 | 府規則様式第4号 | 6-26〜6-27 |

