【大阪府・記載例】No.13「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第七号)の書き方」|新規申請を記入例付きでわかりやすく解説

建設業許可を受けるには、建設業に係る経営業務の管理を適正に行う能力があることが必要です。法人の場合は、常勤の役員のうち1人が一定の経営経験を持っていることを証明します。その書類が「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第七号)」と、その別紙の「常勤役員等の略歴書」です。
この記事では、大阪府知事許可を法人で新規申請する場合に、最も一般的なイ(a1)「建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者」で証明するケースを例に、記載例付きで解説します。記載例は、大阪府の「建設業許可申請の手引き(令和8年3月改定版)」をもとに、当事務所が架空の会社データで作成したものです。
常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の要件
法人の場合は、常勤の役員のうちの1人が、次のイ・ロ・ハのいずれかに該当する必要があります。
- イ(a1):建設業に関し5年以上、経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- イ(a2):建設業に関し5年以上、経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けた者に限る)として経営業務を管理した経験を有する者
- イ(a3):建設業に関し6年以上、経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者
- ロ:役員等としての経験を持つ常勤役員等に加えて、その常勤役員等を直接に補佐する者(財務管理・労務管理・業務運営の経験者)を置く場合
- ハ:国土交通大臣がイ又はロと同等以上の経営体制を有すると認定したもの
イに該当する場合は様式第七号を、ロに該当する場合は様式第七号の二を使います。ここでいう「常勤」とは、原則として報酬が一定の額(月額10万円が目安)以上で、本社・本店などで毎日所定の時間中その職務に従事している者をいいます。
記載例の前提(架空の会社)
| 申請者 | サンプル建設株式会社(令和3年4月設立・新規申請) |
|---|---|
| 常勤役員等 | 代表取締役 見本 太郎 |
| 証明する経験 | イ(a1):サンプル建設株式会社の代表取締役(常勤)としての経験 |
| 経験年数 | 令和3年4月〜令和8年9月(満5年5月) |
許可を受けていない期間でも、建設業を営んでいた法人の常勤役員としての経験は、経営経験として認められます。記載例は、自社の代表取締役としての経験を自社が証明するケースです。
常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書の記載例

項目別の書き方
① (1)経験の証明:不要なものを消す
第7条第1号イの(1)〜(3)のうち、証明する経験以外を二重線で消します。(1)は法人の役員または個人事業主の経験、(2)は執行役員の経験、(3)は補佐経験です。記載例はイ(a1)なので、(2)と(3)を消しています。
② 役職名等
経験を証明する期間の役職名を記載します。
③ 経験年数
経験を証明する期間と、その年数を記載します。「非常勤」の期間は経験年数に含まれません。また、別紙の略歴書の記載内容と相違しないように記載します。
④ 証明者と被証明者との関係
証明者と、証明を受ける人との関係を記載します。記載例では、証明者(サンプル建設)の役員なので「役員」としています。
⑤ 証明者
経験年数に記載した期間に、被証明者が在籍していた法人の代表者(または個人事業主)が証明者になります。前の勤務先での経験を証明する場合は、その会社の代表者が証明者です。
⑥ (2)該当の確認:不要なものを消す
許可申請者が法人の場合は「の常勤の役員」を残し、「本人」「の支配人」を二重線で消します。その右の(1)〜(3)も、①と同じように不要なものを消します。
⑦〜⑧ 宛先・申請者・届出者
大阪府知事許可の場合は「地方整備局長」「北海道開発局長」を消します。申請者・届出者欄には、本店の所在地、商号、代表者の役職と氏名を記載します。
⑨ 申請又は届出の区分(項番17)
新規申請の場合は「1(新規)」を記入します。
⑩ 許可番号(項番18)
申請時に有効な許可がある場合に、最も古い許可年月日のものを記載します(右詰めで、余白は「0」を記載)。新規申請の場合は不要です。
⑪〜⑫ 氏名のフリガナ・氏名・生年月日(項番19〜20)
手引きの記載例にならい、フリガナ欄はフリガナの最初の2文字を記入します。濁点・半濁点も含んで1文字とします。氏名欄は姓と名の間を1マス空けます。生年月日は、元号を記号(令和R、平成H、昭和S、大正T、明治M)で記入します。
⑬ 住所
住民票の住所を記載します。居所が異なる場合は両方を記載し、居所についての確認書類が求められます。
なお、新規申請の場合、下段の「◎【変更前】」の欄は空欄です。
別紙:常勤役員等の略歴書の記載例

⑭ 現住所:住民票の住所を記載します。
⑮ 職名:申請時の職名を記入します。
⑯ 職歴:申請時までの職歴を記載し、特に建設業に関する職歴はすべて記載します。様式第七号の内容と相違がないようにし、職歴の期間が重なる場合は、常勤・非常勤の期間がわかるように記載します。執行役員や準ずる地位であった期間・職名も記載します。
⑰ 賞罰:必ず記載します。行政処分だけでなく、刑事罰なども記載し、賞罰がない場合は必ず「なし」と記載します。
宅建業免許、産廃許可、建築士事務所登録、電気工事業登録などで大阪府に略歴書を提出したことがある場合は、それらの略歴と食い違いがないように注意しましょう。また、常勤役員等については、許可申請者の住所、生年月日等に関する調書(様式第十二号)の作成は不要です。
経験年数の確認書類(イ(a1)・法人の役員の場合)

様式第七号に記載した経験年数は、次の①〜③の書類で確認されます。①〜③で確認できた期間がすべて重なる期間が「経験年数」です。
- ① 営業の実態:法人税の確定申告書のうち、別表一・決算報告書(税務署の受付印(令和7年以降の申告分は不要)または電子申告の受信通知を確認)
- ② 営業の実績:工事内容・工事期間・請負金額が確認できる工事の契約書・注文書・請求書等(毎年分の代表的な工事を確認。各年の工事と翌年の工事の間隔が1年以上空かないように)
- ③ 常勤の役員:商業登記簿謄本・閉鎖謄本(履歴事項全部証明書・閉鎖事項全部証明書・発行から3か月以内)と、法人税の確定申告書のうち役員給与等の内訳書(就任〜重任〜退任など役員期間が途切れないように確認)
各書類は、証明者(証明会社)での証明したい期間分が必要です。あわせて、常勤役員等の常勤性の確認書類も必要になります。
よくあるミス チェックリスト
- (1)〜(3)や「本人」「の支配人」など、不要なものを消していない
- 非常勤だった期間を経験年数に含めている
- 様式第七号の経験年数と、略歴書の職歴が一致していない
- 略歴書に建設業に関する職歴が抜けている
- 賞罰欄が空欄になっている(ない場合は「なし」)
- 住所が住民票の住所と異なる
- 確定申告書・工事の書類・登記簿謄本で、経験年数の期間をすべて確認できない
- 工事の書類の間隔が1年以上空いている年がある
関連記事
経営業務の管理責任者の要件確認はアドバンスリンク行政書士事務所へ
常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の要件は、建設業許可を取得できるかどうかを左右する最も重要な要件のひとつです。経験年数を裏付ける書類がそろうかどうかで、申請の可否が決まることも少なくありません。
アドバンスリンク行政書士事務所では、経営経験の確認から、様式第七号・略歴書の作成、確認書類の整理まで、大阪府知事の建設業許可の新規申請を一貫してサポートしています。お気軽にご相談ください。
アドバンスリンク行政書士事務所
〒534-0023 大阪市都島区都島南通2-4-14 TSビル301号
TEL:06-7777-7821
このシリーズの記事一覧
第1部:新規許可申請(閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 1 | 【総論】大阪府の建設業許可申請に必要な書類一覧と綴じ方 | 申請区分別書類一覧・綴り方 | 3-2〜3-11 |
| 2 | 建設業許可申請書の書き方 | 様式第一号 | 3-12 |
| 3 | 役員等の一覧表の書き方 | 様式第一号 別紙一 | 3-13 |
| 4 | 営業所一覧表の書き方 | 別紙二(1) | 3-14 |
| 5 | 申請手数料とPOS納付用連絡票 | POS連絡票 | 3-15、3-43 |
| 6 | 工事経歴書の書き方 | 様式第二号 | 3-16 |
| 7 | 直前3年の工事施工金額の書き方 | 様式第三号 | 3-17 |
| 8 | 使用人数・誓約書の書き方 | 様式第四号・第六号 | 3-18、3-20 |
| 9 | 健康保険等の加入状況の書き方 | 様式第七号の三 | 3-19 |
| 10 | 建設業用財務諸表①貸借対照表 | 様式第十五号 | 3-21 |
| 11 | 建設業用財務諸表②損益計算書・注記表・附属明細表 | 様式第十六号〜十七号の三 | 3-22〜3-23 |
| 12 | 営業の沿革・主要取引金融機関名の書き方 | 様式第二十号・二十号の三 | 3-24〜3-25 |
第2部:新規許可申請(非閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 13 | 常勤役員等(経管)証明書の書き方 | 様式第七号 | 3-26〜3-27 |
| 14 | 常勤役員等+直接補佐者の証明書(ロ該当) | 様式第七号の二 | 3-28〜3-35 |
| 15 | 営業所技術者等証明書の書き方 | 様式第八号 | 3-36 |
| 16 | 実務経験証明書の書き方 | 様式第九号 | 3-37 |
| 17 | 指導監督的実務経験証明書(特定建設業) | 様式第十号 | 3-38 |
| 18 | 住所・生年月日に関する調書 | 様式第十二号・十三号 | 3-39〜3-40 |
| 19 | 営業所概要書の書き方 | 営業所概要書 | 3-41 |
| 20 | 委任状と窓口での本人確認 | 府規則様式第2号 | 3-42、6-35〜6-37 |
第3部:許可後の手続き
| No | 記事テーマ | 主な対象様式 | 変更届手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 21 | 【総論】変更届の種類と提出期限(14日・30日・4か月)、郵送・投函BOX、綴り方 | ― | 0-2、1-1、5-1〜5-3 |
| 22 | 変更届の表紙の書き方 | 変更届表紙 | 1-2 |
| 23 | 【決算変更届①】必要書類一覧と表紙・変更届出書の書き方 | 決算変更届表紙、府規則様式第3号 | 4-1〜4-2 |
| 24 | 【決算変更届②】法人事業税納税証明書・事業報告書など添付書類の注意点 | 納税証明書、事業報告書 | 4-1 |
| 25 | 常勤役員等(経管)の変更届(イ該当) | 様式第22号の2、第7号 | 2-1〜2-7 |
| 26 | 常勤役員等+直接補佐者の変更届(ロ該当) | 様式第7号の2、第22号の3 | 2-8〜2-16 |
| 27 | 社会保険等の加入状況の変更届 | 様式第7号の3 | 2-29〜2-30 |
| 28 | 営業所技術者等の変更届(交代・追加・削除) | 様式第22号の2、第8号 ほか | 2-31〜2-41 |
| 29 | 令第3条の使用人(支店長等)の変更届 | 様式第22号の2 ほか | 2-42〜2-44 |
| 30 | 営業所の変更届(本店移転・支店新設) | 様式第22号の2 | 3-1〜3-6 |
| 31 | 商号・資本金の変更届 | 様式第22号の2 | 3-4〜3-5 |
| 32 | 役員等の変更届 | 様式第22号の2、別紙一 | 3-7、3-10 |
| 33 | 株主等の変更届 | 様式第22号の2 | 3-8〜3-11 |
| 34 | 廃業届(一部廃業・全部廃業) | 様式第22号の4 | 3-13〜3-15 |
| 35 | 建設業に係る訂正の届出書 | 府規則様式第4号 | 6-26〜6-27 |

