【大阪府・記載例】No.17「指導監督的実務経験証明書(特定建設業)の書き方(様式第十号)」|新規申請を記入例付きでわかりやすく解説

特定建設業の許可を受けるには、営業所ごとに特定営業所技術者を置く必要があります。1級の国家資格がない場合でも、一般建設業の営業所技術者の要件に加えて、2年以上の「指導監督的な実務の経験」があれば、特定営業所技術者になれる場合があります。その経験を証明する書類が「指導監督的実務経験証明書(様式第十号)」です。
この記事では、大阪府知事許可を例に、様式第十号の書き方を記載例付きで解説します。記載例は、大阪府の「建設業許可申請の手引き(令和8年3月改定版)」をもとに、当事務所が架空のデータで作成したものです。
指導監督的実務経験で特定営業所技術者になる要件

指導監督的実務経験で特定営業所技術者になるには、次の両方に該当する必要があります。
- 一般建設業の営業所技術者の要件(指定学科卒業+実務経験、10年以上の実務経験、国家資格など)のいずれかに該当すること
- 許可を受けようとする業種に係る建設工事に関し、2年以上一定の指導監督的な実務の経験を有すること
「一定の指導監督的な実務の経験」とは、許可を受けようとする建設業に係る建設工事で、発注者から直接請け負い(元請)、その請負代金の額(税込み)が4,500万円以上であるものに関する指導監督的な実務の経験をいいます(昭和59年10月1日前の経験は1,500万円、昭和59年10月1日以降平成6年12月28日前の経験は3,000万円)。発注者の側における経験や、下請負人としての経験は含みません。
また、「指導監督的な実務の経験」とは、建設工事の設計又は施工の全般について、工事現場主任者又は工事現場監督者のような立場で、工事の技術面を総合的に指導監督した経験をいいます。
指定建設業では使えない
指定建設業(土木工事業・建築工事業・電気工事業・管工事業・鋼構造物工事業・舗装工事業・造園工事業)の特定建設業の許可を受ける場合は、1級の国家資格者等(または国土交通大臣が同等以上の能力を有すると認定した者)を置く必要があり、指導監督的実務経験による証明はできません。
記載例の前提(架空のデータ)
| 技術者 | 例野 誠(実務経験証明書の記事と同じ人物) |
|---|---|
| 業種 | 内装仕上工事業(指定建設業ではない業種)の特定建設業 |
| 一般の要件 | 10年以上の実務経験(様式第九号で証明) |
| 指導監督的実務経験 | 前勤務先の株式会社テスト内装での元請工事5件・合計2年2月 |
指導監督的実務経験証明書の記載例

様式第十号の記載要領は、実務経験証明書(様式第九号)に準じます。様式第九号との大きな違いは、工事1件ごとに、発注者名と請負代金の額を記載する点です。
① 業種
指導監督的な実務の経験を有する業種を記載します。この証明書は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事の種類ごとに、被証明者1人について、証明者別に作成します。
② 日付
証明者が証明する日付を記載します。
③〜④ 証明者・被証明者との関係
技術者を雇用していた会社が証明者になります。記載例では前勤務先が証明者で、被証明者との関係は「従業員」としています。
⑤ 技術者の氏名・使用者の商号・使用された期間
様式第九号と同じく、技術者の氏名・生年月日、使用者の商号、実際に雇用されていた期間を記載します。
⑥ 発注者名
工事の発注者名を記載します。元請工事に限られるため、発注者から直接請け負った工事のみを記載します。
⑦ 請負代金の額
千円単位で記載します。税込みで4,500万円以上の工事が対象です。請負代金の額が4,500万円以上の建設工事を、1件ごとに記載します。
⑧ 職名
被証明者が従事した工事現場において就いていた地位(現場代理人、現場責任者など)を記載します。
⑨ 実務経験の内容
従事した元請工事名等を具体的に記載します。様式第九号のように「他○件」とまとめることはせず、1行につき1件を記載します。
⑩〜⑪ 実務経験年数・合計
各工事の工期を記載し、最後に合計を記載します。指導監督的な実務の経験の期間は、各工事の工期を積み上げて合計した期間で、通算2年以上必要です。手引きの記載例では「平成20年2月〜4月は2か月」というように数えており、記載例も同じ考え方で、5件の合計26か月を「満2年2月」としています。経験期間が重複している工事は、原則として二重に計算しません。
一般建設業の実務経験との重複
一般建設業の営業所技術者の要件である実務経験の期間が、指導監督的な実務の経験の期間と重複している場合には、重複する期間を、一般建設業の実務経験の期間として算定すると同時に、指導監督的な実務の経験の期間としても算定することができます。
記載例の例野誠の場合、様式第九号で証明した10年4月の実務経験の期間中に、ここで記載した5件の元請工事が含まれています。
確認書類
- 工事の確認書類:記載したすべての工事について、工期・工事名・工事内容・請負金額などを確認できる工事の契約書・注文書等が必要です。
- 在籍の確認書類:年金の被保険者記録照会回答票、雇用保険被保険者証、雇用保険被保険者離職票のいずれか(証明者と申請者が同一の場合などは原則不要)。
過去に指導監督的実務経験が必要な特定営業所技術者として証明されたことがある技術者の場合は、そのときの申請書や変更届の控え(受付印のある表紙と様式第十号)で確認できる場合があります。
営業所技術者等証明書(様式第八号)との関係
指導監督的実務経験で特定営業所技術者になる場合、営業所技術者等証明書(様式第八号)には、【許可・業種別有資格コード表】の特定建設業の欄を使って記入します。記載例の例野誠(10年以上の実務経験+2年以上の指導監督的実務経験)の場合は、有資格区分のコード「02」、業種の下の数字は「5」(法第7条第2号ロ及び法第15条第2号ロ該当)になります。
よくあるミス チェックリスト
- 指定建設業(7業種)なのに、指導監督的実務経験で特定営業所技術者にしようとしている
- 下請工事や、請負代金が4,500万円(税込)未満の工事を記載している
- 「他○件」とまとめて記載している(1件ごとに記載)
- 職名欄に、会社での役職ではなく工事現場での地位を書いていない
- 各工事の工期を通算して2年に満たない
- 記載した工事の契約書・注文書等がそろっていない
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特定建設業の許可では、営業所技術者等の要件に加えて、財産的基礎の要件も一般建設業より厳しくなります。指導監督的実務経験で証明できるかどうかは、元請工事の実績と書類の有無にかかっています。
アドバンスリンク行政書士事務所では、特定建設業の要件確認から書類作成まで、大阪府知事の建設業許可の申請を一貫してサポートしています。お気軽にご相談ください。
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TEL:06-7777-7821
このシリーズの記事一覧
第1部:新規許可申請(閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 1 | 【総論】大阪府の建設業許可申請に必要な書類一覧と綴じ方 | 申請区分別書類一覧・綴り方 | 3-2〜3-11 |
| 2 | 建設業許可申請書の書き方 | 様式第一号 | 3-12 |
| 3 | 役員等の一覧表の書き方 | 様式第一号 別紙一 | 3-13 |
| 4 | 営業所一覧表の書き方 | 別紙二(1) | 3-14 |
| 5 | 申請手数料とPOS納付用連絡票 | POS連絡票 | 3-15、3-43 |
| 6 | 工事経歴書の書き方 | 様式第二号 | 3-16 |
| 7 | 直前3年の工事施工金額の書き方 | 様式第三号 | 3-17 |
| 8 | 使用人数・誓約書の書き方 | 様式第四号・第六号 | 3-18、3-20 |
| 9 | 健康保険等の加入状況の書き方 | 様式第七号の三 | 3-19 |
| 10 | 建設業用財務諸表①貸借対照表 | 様式第十五号 | 3-21 |
| 11 | 建設業用財務諸表②損益計算書・注記表・附属明細表 | 様式第十六号〜十七号の三 | 3-22〜3-23 |
| 12 | 営業の沿革・主要取引金融機関名の書き方 | 様式第二十号・二十号の三 | 3-24〜3-25 |
第2部:新規許可申請(非閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 13 | 常勤役員等(経管)証明書の書き方 | 様式第七号 | 3-26〜3-27 |
| 14 | 常勤役員等+直接補佐者の証明書(ロ該当) | 様式第七号の二 | 3-28〜3-35 |
| 15 | 営業所技術者等証明書の書き方 | 様式第八号 | 3-36 |
| 16 | 実務経験証明書の書き方 | 様式第九号 | 3-37 |
| 17 | 指導監督的実務経験証明書(特定建設業) | 様式第十号 | 3-38 |
| 18 | 住所・生年月日に関する調書 | 様式第十二号・十三号 | 3-39〜3-40 |
| 19 | 営業所概要書の書き方 | 営業所概要書 | 3-41 |
| 20 | 委任状と窓口での本人確認 | 府規則様式第2号 | 3-42、6-35〜6-37 |
第3部:許可後の手続き
| No | 記事テーマ | 主な対象様式 | 変更届手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 21 | 【総論】変更届の種類と提出期限(14日・30日・4か月)、郵送・投函BOX、綴り方 | ― | 0-2、1-1、5-1〜5-3 |
| 22 | 変更届の表紙の書き方 | 変更届表紙 | 1-2 |
| 23 | 【決算変更届①】必要書類一覧と表紙・変更届出書の書き方 | 決算変更届表紙、府規則様式第3号 | 4-1〜4-2 |
| 24 | 【決算変更届②】法人事業税納税証明書・事業報告書など添付書類の注意点 | 納税証明書、事業報告書 | 4-1 |
| 25 | 常勤役員等(経管)の変更届(イ該当) | 様式第22号の2、第7号 | 2-1〜2-7 |
| 26 | 常勤役員等+直接補佐者の変更届(ロ該当) | 様式第7号の2、第22号の3 | 2-8〜2-16 |
| 27 | 社会保険等の加入状況の変更届 | 様式第7号の3 | 2-29〜2-30 |
| 28 | 営業所技術者等の変更届(交代・追加・削除) | 様式第22号の2、第8号 ほか | 2-31〜2-41 |
| 29 | 令第3条の使用人(支店長等)の変更届 | 様式第22号の2 ほか | 2-42〜2-44 |
| 30 | 営業所の変更届(本店移転・支店新設) | 様式第22号の2 | 3-1〜3-6 |
| 31 | 商号・資本金の変更届 | 様式第22号の2 | 3-4〜3-5 |
| 32 | 役員等の変更届 | 様式第22号の2、別紙一 | 3-7、3-10 |
| 33 | 株主等の変更届 | 様式第22号の2 | 3-8〜3-11 |
| 34 | 廃業届(一部廃業・全部廃業) | 様式第22号の4 | 3-13〜3-15 |
| 35 | 建設業に係る訂正の届出書 | 府規則様式第4号 | 6-26〜6-27 |

