【大阪府・記載例】No.16「実務経験証明書の書き方(様式第九号)」の書き方」|新規申請を記入例付きでわかりやすく解説

建設業許可を取得するには、営業所ごとに営業所技術者等(旧:専任技術者)を置く必要があります。国家資格がない場合でも、一定年数以上の実務経験があれば営業所技術者等になることができ、その経験を証明する書類が「実務経験証明書(様式第九号)」です。
実務経験証明書は、記載する内容そのものよりも、年数の数え方と、記載した工事を裏付ける確認書類の準備でつまずきやすい書類です。この記事では、大阪府知事許可の新規申請を例に、記載例付きで解説します。記載例は、大阪府の「建設業許可申請の手引き(令和8年3月改定版)」をもとに、当事務所が架空のデータで作成したものです。
実務経験で営業所技術者等になるために必要な年数

学歴や資格による要件がない場合は、許可を受けようとする業種に係る建設工事について10年以上の実務経験が必要です。指定学科を卒業している場合や、指定の技術検定に合格している場合は、必要な年数が短くなります。
なお、ここでいう「実務の経験」とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験をいいます。単なる雑務の経験は含まれませんが、設計技術者として設計に従事した経験、現場監督技術者として監督に従事した経験、土工やその見習いに従事した経験なども含まれます。
記載例の前提(架空のデータ)
| 技術者 | 例野 誠(サンプル建設株式会社の営業所技術者候補) |
|---|---|
| 証明する業種 | 内装仕上工事(10年以上の実務経験で証明) |
| 証明者 | 前勤務先の株式会社テスト内装 |
| 在籍期間 | 平成24年4月〜令和4年9月 |
実務経験証明書の記載例

項目別の書き方
① 業種
実務経験を有する業種(建設工事の種類)を記載します。実務経験証明書は、許可を受けようとする建設工事の種類ごとに、被証明者1人について、証明者別に作成します。複数の業種や、複数の勤務先での経験を証明する場合は、それぞれ別の用紙で作成します。
② 証明日
証明者が証明する日付を記載します。
③ 証明者
技術者を雇用していた会社(使用者)が証明者になります。所在地・商号・代表者名を記載します。記載例では、技術者の前勤務先が証明しています。
④ 被証明者との関係
証明者と、証明を受ける技術者との関係を記載する欄です。
⑤〜⑦ 技術者の氏名・使用者の商号・使用された期間
技術者の氏名と生年月日、使用者の商号を記載します。「使用された期間」には、実際に雇用されていた期間を記載します。この期間は、年金の被保険者記録照会回答票などで在籍の確認が行われます。
⑧ 職名
被証明者が所属していた部課名や、当時担当していた役職名を具体的に記載します。前の行と同じ場合は「〃」と記載できます。
⑨ 実務経験の内容
従事した主な工事名などを具体的に記載します。通年にわたって工事の経験がある年は、その年の代表的な工事の件名を記入し、その他の工事は「他○件」として1年分を1行にまとめることができます。
⑩〜⑫ 実務経験年数・合計
各行の実務経験の期間を記載し、最後に「合計 満○年○月」を記載します。年数の数え方は次の項目で詳しく解説します。
実務経験年数の数え方と確認書類

通年の経験と、通年でない期間の数え方
通年にわたって工事の経験がある場合は、1年分を1行にまとめて記載し、その行は1年として数えます。
通年にわたって工事の経験がない場合は、工事1件ごとに積み上げて記入します。その場合の年数の積み上げは片落ち計算になります。記載例の⑪「令和4年5月から令和4年9月まで」は、片落ちで4か月として数えています。
記載例では、通年の10年分(10行)に4か月を加えて、合計は「満10年4月」となります。
そのほか、年数の数え方には次のルールがあります。
- 同一人物で経験期間が重複しているものは、原則として二重に計算しません。
- 資格+実務経験の場合は、資格取得後の工事のみが実務経験として認められます。
- 電気工事・消防施設工事は、電気工事士免状や消防設備士免状などがなければ直接従事できない工事があります。
- 建設リサイクル法施行後の解体工事の経験は、とび・土工工事業許可または解体工事業登録で請け負ったものでなければ経験期間に算入されません。
大阪府で必要な確認書類
実務経験証明書は、書いただけでは認められません。大阪府では、記載した内容を裏付ける次の確認書類の提示が求められます。
- 工事の実績の確認書類:実務経験証明書に記載した代表的な工事すべてについて、工期・工事名・工事内容・請負金額を確認できる書類(工事の契約書・注文書・請求書・内訳書など)が必要です。
- 工事の間隔:確認する代表的な工事と、その翌年の代表的な工事との間隔が1年以上空かないようにします。1年以上空いた場合は、その間に積み上げた同じ業種の他の工事の実績も確認されます。
- 始期と終期:連続する実務経験年数の始まりと終わりの時期についても、工事期間が確認できる書類を用意します。
- 在籍の確認書類:年金の被保険者記録照会回答票、雇用保険被保険者証(申請時点で継続して雇用されている場合)、雇用保険被保険者離職票(申請時点で離職している場合)のいずれかです。証明者と申請者が同一の場合や、過去に建設業者から証明を受けている場合は、原則不要です。
過去に実務経験で営業所技術者等として証明されたことがある技術者の場合は、そのときの申請書や変更届の控え(受付印のある表紙と実務経験証明書)で確認できる場合があります。
よくあるミス チェックリスト
- 複数の業種や複数の勤務先の経験を1枚にまとめている(業種ごと・証明者別に作成)
- 使用された期間が、年金記録などの在籍期間と合っていない
- 代表的な工事の契約書・注文書などが用意できない
- 代表的な工事の間隔が1年以上空いている
- 通年でない期間を片落ち計算していない
- 資格取得前の工事を、資格+実務経験の年数に含めている
- 合計が必要年数(10年など)に足りていない
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実務経験での建設業許可はアドバンスリンク行政書士事務所へ
実務経験による営業所技術者等の証明は、建設業許可の中でも特に準備に手間がかかる部分です。10年分の契約書や注文書を集める必要があるうえ、前勤務先に証明を依頼しなければならないケースもあります。
アドバンスリンク行政書士事務所では、「手元にある書類で実務経験を証明できるか」の確認から、実務経験証明書の作成、確認書類の整理まで、大阪府知事の建設業許可の新規申請を一貫してサポートしています。お気軽にご相談ください。
アドバンスリンク行政書士事務所
〒534-0023 大阪市都島区都島南通2-4-14 TSビル301号
TEL:06-7777-7821
このシリーズの記事一覧
第1部:新規許可申請(閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 1 | 【総論】大阪府の建設業許可申請に必要な書類一覧と綴じ方 | 申請区分別書類一覧・綴り方 | 3-2〜3-11 |
| 2 | 建設業許可申請書の書き方 | 様式第一号 | 3-12 |
| 3 | 役員等の一覧表の書き方 | 様式第一号 別紙一 | 3-13 |
| 4 | 営業所一覧表の書き方 | 別紙二(1) | 3-14 |
| 5 | 申請手数料とPOS納付用連絡票 | POS連絡票 | 3-15、3-43 |
| 6 | 工事経歴書の書き方 | 様式第二号 | 3-16 |
| 7 | 直前3年の工事施工金額の書き方 | 様式第三号 | 3-17 |
| 8 | 使用人数・誓約書の書き方 | 様式第四号・第六号 | 3-18、3-20 |
| 9 | 健康保険等の加入状況の書き方 | 様式第七号の三 | 3-19 |
| 10 | 建設業用財務諸表①貸借対照表 | 様式第十五号 | 3-21 |
| 11 | 建設業用財務諸表②損益計算書・注記表・附属明細表 | 様式第十六号〜十七号の三 | 3-22〜3-23 |
| 12 | 営業の沿革・主要取引金融機関名の書き方 | 様式第二十号・二十号の三 | 3-24〜3-25 |
第2部:新規許可申請(非閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 13 | 常勤役員等(経管)証明書の書き方 | 様式第七号 | 3-26〜3-27 |
| 14 | 常勤役員等+直接補佐者の証明書(ロ該当) | 様式第七号の二 | 3-28〜3-35 |
| 15 | 営業所技術者等証明書の書き方 | 様式第八号 | 3-36 |
| 16 | 実務経験証明書の書き方 | 様式第九号 | 3-37 |
| 17 | 指導監督的実務経験証明書(特定建設業) | 様式第十号 | 3-38 |
| 18 | 住所・生年月日に関する調書 | 様式第十二号・十三号 | 3-39〜3-40 |
| 19 | 営業所概要書の書き方 | 営業所概要書 | 3-41 |
| 20 | 委任状と窓口での本人確認 | 府規則様式第2号 | 3-42、6-35〜6-37 |
第3部:許可後の手続き
| No | 記事テーマ | 主な対象様式 | 変更届手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 21 | 【総論】変更届の種類と提出期限(14日・30日・4か月)、郵送・投函BOX、綴り方 | ― | 0-2、1-1、5-1〜5-3 |
| 22 | 変更届の表紙の書き方 | 変更届表紙 | 1-2 |
| 23 | 【決算変更届①】必要書類一覧と表紙・変更届出書の書き方 | 決算変更届表紙、府規則様式第3号 | 4-1〜4-2 |
| 24 | 【決算変更届②】法人事業税納税証明書・事業報告書など添付書類の注意点 | 納税証明書、事業報告書 | 4-1 |
| 25 | 常勤役員等(経管)の変更届(イ該当) | 様式第22号の2、第7号 | 2-1〜2-7 |
| 26 | 常勤役員等+直接補佐者の変更届(ロ該当) | 様式第7号の2、第22号の3 | 2-8〜2-16 |
| 27 | 社会保険等の加入状況の変更届 | 様式第7号の3 | 2-29〜2-30 |
| 28 | 営業所技術者等の変更届(交代・追加・削除) | 様式第22号の2、第8号 ほか | 2-31〜2-41 |
| 29 | 令第3条の使用人(支店長等)の変更届 | 様式第22号の2 ほか | 2-42〜2-44 |
| 30 | 営業所の変更届(本店移転・支店新設) | 様式第22号の2 | 3-1〜3-6 |
| 31 | 商号・資本金の変更届 | 様式第22号の2 | 3-4〜3-5 |
| 32 | 役員等の変更届 | 様式第22号の2、別紙一 | 3-7、3-10 |
| 33 | 株主等の変更届 | 様式第22号の2 | 3-8〜3-11 |
| 34 | 廃業届(一部廃業・全部廃業) | 様式第22号の4 | 3-13〜3-15 |
| 35 | 建設業に係る訂正の届出書 | 府規則様式第4号 | 6-26〜6-27 |

