【大阪府・記載例】No.14「常勤役員等+直接補佐者の証明書(ロ該当)(様式第七号の二)の書き方」|新規申請を記入例付きでわかりやすく解説

建設業許可の「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)」の要件は、前回の記事(様式第七号)で解説したイ(建設業の経営経験5年以上など)で満たすのが一般的です。しかし、建設業の役員経験が5年に満たない場合でも、常勤役員等に加えて、その常勤役員等を直接に補佐する者を置くことで要件を満たせる場合があります。これが「ロ該当」で、証明書類として「常勤役員等及び当該常勤役員等を直接に補佐する者の証明書(様式第七号の二)」を使います。
この記事では、大阪府知事許可を法人で新規申請する場合に、ロ(b1)で申請するケースを例に、記載例付きで解説します。記載例は、大阪府の「建設業許可申請の手引き(令和8年3月改定版)」をもとに、当事務所が架空の会社データで作成したものです。
※大阪府では、ロ(b1)・ロ(b2)の経験で申請する場合は、事前に建設業許可グループに相談するよう求められています。事前相談を受けた場合でも、審査にあたって別途確認書類を求められることがあります。
ロ該当の仕組み

ロ該当では、次の2つをそろえる必要があります。
① 常勤役員等(b1またはb2)
- (b1)建設業に関し2年以上役員等としての経験を有し、かつ、5年以上役員等又は役員等に次ぐ職制上の地位にある者(財務管理、労務管理又は業務運営の業務を担当するものに限る)としての経験を有する者
- (b2)5年以上役員等としての経験を有し、かつ、建設業に関し2年以上役員等としての経験を有する者(建設業以外の業種での役員経験と合わせて5年以上)
② 常勤役員等を直接に補佐する者(c1・c2・c3をそれぞれ)
- (c1)財務管理:建設工事の施工に必要な資金の調達、施工中の資金繰りの管理、下請業者への代金の支払いなどに関する業務経験
- (c2)労務管理:社内や工事現場における勤怠の管理、社会保険関係の手続きに関する業務経験
- (c3)業務運営:会社の経営方針や運営方針の策定、実施に関する業務経験
いずれも、許可を申請する建設業者(許可を受けようとする建設業を営む者)における5年以上の建設業の業務経験に限られます。また、直接に補佐する者は、申請日時点で、組織体系上も実態上も常勤役員等との間に他の者を介在させることなく、常勤役員等から直接指揮命令を受けて、常勤で業務を行う者でなければなりません。
記載例の全体像(架空の会社)

記載例は、No.13までのサンプル建設とは別の架空の会社「株式会社サンプル住建」が、ロ(b1)で申請するケースです。代表取締役の標本一郎は、建設業の役員経験が2年5月しかありませんが、役員就任前の管理部長(業務運営を担当)としての6年0月と合わせて、5年以上の経験があります。
財務管理と労務管理は、総務部長の例示花子が補佐者になります。総務部が財務と労務を同時に担当する部署のため、経験期間を重複して計算しています。業務運営は、業務部長の模範次郎が補佐者になります。
第一面:常勤役員等の証明

① (1)第7条第1号ロ:(1)(2)のうち不要なものを二重線で消します。ロ(b1)の場合は(2)を消します。
② 役職名等:建設業の役員等としての経験を証明する期間の役職名を記載します。
③ 経験年数:第一面には、建設業に関する役員等の経験(ロ(b1)では2年以上必要)を記載します。役員等に次ぐ職制上の地位にあった期間は、別紙一の略歴書で確認します。
④ 証明者:経験年数に記載した期間に、被証明者が在籍していた法人の代表者が証明者になります。
⑤ (2)該当の確認:法人の場合は「の常勤の役員」を残し、「本人」「の支配人」を消します。その右の(1)(2)も、①と同じように不要なものを消します。
⑥ 申請又は届出の区分(項番17):新規申請の場合は「1」を記入します。許可番号(項番18)は、新規申請の場合は不要です。
⑦ 氏名のフリガナ・氏名(項番19〜20):フリガナは濁点・半濁点も含んで1文字とします(記載例の「ヒョ」は「ヒ」「ョ」の2マス)。氏名は姓と名の間を1マス空けます。住所は住民票の住所を記載し、居所が異なる場合は両方を記載します。
別紙一:常勤役員等の略歴書

⑬ 職歴と経験年数:申請時までの職歴を記載し、建設業に関する職歴はすべて記載します。ロ(b1)の場合は、役員等に次ぐ職制上の地位での経験が、財務管理・労務管理・業務運営のいずれの経験であるかと、その経験年数(月数)を職務内容欄の右側に記入します。
記載例では、管理部長として業務運営を担当した6年0月と、第一面で証明した役員経験2年5月を合わせて、5年以上の経験があることがわかります。第一面で証明した内容と突き合わせて、食い違いがないように作成しましょう。賞罰欄も必ず記載し、ない場合は「なし」と記載します。
第二面〜第四面:常勤役員等を直接に補佐する者の証明

第二面は財務管理(c1)、第三面は労務管理(c2)、第四面は業務運営(c3)の補佐者を記載します。3つの面は同じ構成です。
⑧ 証明文:第二面は「財務管理」、第三面は「労務管理」、第四面は「業務運営」の業務経験を有することを証明する文になっています。
⑨ 申請者・届出者:補佐者の証明は、申請者(申請会社)が行います。
⑩ 役職名等:申請事業者における、財務管理(第三面は労務管理、第四面は業務運営)に関する役職を記載します。
⑪ 経験年数:建設業に関する財務管理(第三面・第四面はそれぞれの業務)の経験期間を記載します。それぞれ5年以上必要です。
⑫ 項番:第二面は項番22〜26、第三面は項番27〜30、第四面は項番31〜34を使います。新規申請の場合、申請又は届出の区分は「1」、許可番号は不要です。
記載例では、第三面(労務管理)も第二面と同じく例示花子・総務部長・平成31年4月〜令和8年9月(満7年5月)を記載します。第四面(業務運営)には、模範次郎・業務部長・平成30年4月〜令和8年9月(満8年5月)を記載します。
別紙二:常勤役員等を直接に補佐する者の略歴書

⑭ 職歴と経験年数:申請時までの職歴を記載し、特に申請会社における建設業の財務管理、労務管理、業務運営の5年以上の業務経験に関する職歴はすべて記載します。それぞれ5年以上の経験が必要なため、いずれの経験であるかと、その経験年月数を右側に記載します。
財務管理・労務管理・業務運営の経験を同時に経験できる部署である場合は、重複して計算することも可能です。記載例の例示花子は、財務と労務を担当する総務部長なので、「財務 7年5月/労務 7年5月」と記載しています。補佐者ごとに別紙二を作成します(記載例では模範次郎の分も別途作成します)。
確認書類のポイント
- 建設業の役員等の経験(2年以上):様式第七号のイ(a1)と同じく、確定申告書・工事の契約書等・商業登記簿謄本などで確認します。
- 役員等に次ぐ職制上の地位の経験:その地位や経験期間、業務が財務管理・労務管理・業務運営に該当することを確認するための書類と、在職期間を確認する書類(年金の被保険者記録など)が必要です。
- 補佐者の経験:申請会社における財務管理・労務管理・業務運営の経験と期間を確認する書類が必要です。
必要な書類は、手引きのP.2-8〜2-12に詳しく記載されています。ロ該当は個別の判断が必要になる部分が多いため、事前相談の段階で確認書類についても確認しておきましょう。
よくあるミス チェックリスト
- 大阪府の建設業許可グループへの事前相談をしていない
- 第一面に、建設業の役員経験ではなく部長職などの期間を記載している
- 別紙一・別紙二に、財務・労務・業務のいずれの経験かと年月数を書いていない
- 補佐者の経験が、申請会社以外での経験になっている
- 補佐者と常勤役員等の間に、別の上司が介在している
- 財務・労務・業務運営のうち、5年に満たない分野がある
- 第一面と略歴書の内容が食い違っている
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「代表者の建設業の役員経験が5年に足りない」という場合でも、ロ該当で許可を取得できる可能性があります。ただし、補佐者の配置や経験の証明には、組織体制の整理や多くの確認書類が必要になります。
アドバンスリンク行政書士事務所では、ロ該当での申請が可能かどうかの確認から、大阪府への事前相談、様式第七号の二と略歴書の作成まで、大阪府知事の建設業許可の新規申請を一貫してサポートしています。お気軽にご相談ください。
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〒534-0023 大阪市都島区都島南通2-4-14 TSビル301号
TEL:06-7777-7821
このシリーズの記事一覧
第1部:新規許可申請(閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 1 | 【総論】大阪府の建設業許可申請に必要な書類一覧と綴じ方 | 申請区分別書類一覧・綴り方 | 3-2〜3-11 |
| 2 | 建設業許可申請書の書き方 | 様式第一号 | 3-12 |
| 3 | 役員等の一覧表の書き方 | 様式第一号 別紙一 | 3-13 |
| 4 | 営業所一覧表の書き方 | 別紙二(1) | 3-14 |
| 5 | 申請手数料とPOS納付用連絡票 | POS連絡票 | 3-15、3-43 |
| 6 | 工事経歴書の書き方 | 様式第二号 | 3-16 |
| 7 | 直前3年の工事施工金額の書き方 | 様式第三号 | 3-17 |
| 8 | 使用人数・誓約書の書き方 | 様式第四号・第六号 | 3-18、3-20 |
| 9 | 健康保険等の加入状況の書き方 | 様式第七号の三 | 3-19 |
| 10 | 建設業用財務諸表①貸借対照表 | 様式第十五号 | 3-21 |
| 11 | 建設業用財務諸表②損益計算書・注記表・附属明細表 | 様式第十六号〜十七号の三 | 3-22〜3-23 |
| 12 | 営業の沿革・主要取引金融機関名の書き方 | 様式第二十号・二十号の三 | 3-24〜3-25 |
第2部:新規許可申請(非閲覧書類)
| No | 記事テーマ | 対象様式 | 手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 13 | 常勤役員等(経管)証明書の書き方 | 様式第七号 | 3-26〜3-27 |
| 14 | 常勤役員等+直接補佐者の証明書(ロ該当) | 様式第七号の二 | 3-28〜3-35 |
| 15 | 営業所技術者等証明書の書き方 | 様式第八号 | 3-36 |
| 16 | 実務経験証明書の書き方 | 様式第九号 | 3-37 |
| 17 | 指導監督的実務経験証明書(特定建設業) | 様式第十号 | 3-38 |
| 18 | 住所・生年月日に関する調書 | 様式第十二号・十三号 | 3-39〜3-40 |
| 19 | 営業所概要書の書き方 | 営業所概要書 | 3-41 |
| 20 | 委任状と窓口での本人確認 | 府規則様式第2号 | 3-42、6-35〜6-37 |
第3部:許可後の手続き
| No | 記事テーマ | 主な対象様式 | 変更届手引き頁 |
|---|---|---|---|
| 21 | 【総論】変更届の種類と提出期限(14日・30日・4か月)、郵送・投函BOX、綴り方 | ― | 0-2、1-1、5-1〜5-3 |
| 22 | 変更届の表紙の書き方 | 変更届表紙 | 1-2 |
| 23 | 【決算変更届①】必要書類一覧と表紙・変更届出書の書き方 | 決算変更届表紙、府規則様式第3号 | 4-1〜4-2 |
| 24 | 【決算変更届②】法人事業税納税証明書・事業報告書など添付書類の注意点 | 納税証明書、事業報告書 | 4-1 |
| 25 | 常勤役員等(経管)の変更届(イ該当) | 様式第22号の2、第7号 | 2-1〜2-7 |
| 26 | 常勤役員等+直接補佐者の変更届(ロ該当) | 様式第7号の2、第22号の3 | 2-8〜2-16 |
| 27 | 社会保険等の加入状況の変更届 | 様式第7号の3 | 2-29〜2-30 |
| 28 | 営業所技術者等の変更届(交代・追加・削除) | 様式第22号の2、第8号 ほか | 2-31〜2-41 |
| 29 | 令第3条の使用人(支店長等)の変更届 | 様式第22号の2 ほか | 2-42〜2-44 |
| 30 | 営業所の変更届(本店移転・支店新設) | 様式第22号の2 | 3-1〜3-6 |
| 31 | 商号・資本金の変更届 | 様式第22号の2 | 3-4〜3-5 |
| 32 | 役員等の変更届 | 様式第22号の2、別紙一 | 3-7、3-10 |
| 33 | 株主等の変更届 | 様式第22号の2 | 3-8〜3-11 |
| 34 | 廃業届(一部廃業・全部廃業) | 様式第22号の4 | 3-13〜3-15 |
| 35 | 建設業に係る訂正の届出書 | 府規則様式第4号 | 6-26〜6-27 |

